君と僕の約束
「夏葉!」
私を追いかけてきたらしく、夏凪翔が走ってきた。
「1人じゃ無理だ!ってこの人...」
「蕾稀様に助けてもらったの。」
「なんで急に1人で走り出したんだ!」
「ごめん。」
私は何となく言いたくなかった。
言ったら後戻りできない気がした。
「とにかく安全な場所に蕾稀様を運ぼう。」
夏凪翔にそう言われて2人で蕾稀様を支えた。
みんなのほうに行くとあらかた片付いていた。
が、重症者もかなりいた。
それは美夜が引き受けていた。
「治清(ちせい)」
還力を使って傷を治せるのは世界中で美夜だけだ。
そのそばには賢迅もいた。
「っん...」
そこまで来ると蕾稀様は目覚めた。
「蕾稀様!大丈夫ですか?」
「あぁ面目ない。」
夏凪翔は背中におぶさっていた蕾稀様をおろした。