友チョコじゃ、嫌だから。



2人で校門を抜けて、右折。
家へと続くいつもの道。



なんで今日は、やけにドキドキしてソワソワするのか。



その答えは、カバンの中にある"ソレ"のせい。
可愛くピンク色のリボンが結ばれた"ソレ"の中身が、さらには手作りだと言うサプライズ付き。



渡すタイミングが掴めない。
…ってか、切り出し方が分かんない。



毎年、テキトーだったバレンタインが、今年は手作りで可愛くラッピングまでされてて…


お?やけに張り切ってね?
って…思われるのだけはごめんだ。




「なぁ。」


「ん、なに…?」



しばらく歩いた頃、悠斗が突然話し始めるから、考えるのは一旦やめにした。




「今年は?チョコ。」



げっ、



考えるのやめた途端に爆弾落としやがった。
今 悩んでるところだから待っててよ!なんて言えるわけもない。何に悩んでいるか、説明したら悠斗なんかを好きなことがバレてしまう。



「んー。欲しい?」


「欲しい。」




なに、やけに素直。
どうした?さては、この前 告られた子にもらったチョコに毒でも入ってたとか?

振られた腹いせに!!


…って、まさかそんな訳ないか。



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