友チョコじゃ、嫌だから。
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「ね、架純ちゃん聞いた?」
「ん?何を?」
帰る準備をする私の隣で茉莉ちゃんが、こっそり私に耳打ちするから
思わず手を止めて首を傾げる。
「野村くん、呼び出されたんだって。」
「っ、呼び出し…?」
なぜかドクン…と嫌な音が私の体を駆け巡って、一気に心臓に何か重たいものがズッシリとのしかかってきた気さえする。
「そう!呼び出し!ついに野村くん彼女出来ちゃうかもね?」
どこか私を試すかのような茉莉ちゃんの言葉に、自分自身どう答えたらいいのかサッパリ見失って
「…アイツに…彼女、か。」
なんて、気の抜けた返事をしてしまった。