友チョコじゃ、嫌だから。
とは言え!だ。
毎年、友チョコをあげてきたとは言っても、手作りなんてあげたことないし。
ひどい時なんて、購買で買った板チョコとか。
焼きそばパン!なんて事もあった。
…本当に、本当に義理チョコ。
「…これは、何チョコなんだろ。」
手元のソレに視線を落として、もう何度目になるか分からない自問を繰り返す。
確かに悠斗はいいやつで、喧嘩ばっかりだけど…一緒に居て楽しいって思う。
でも、それが異性としてなのか、友達としてなのか。
未だに白黒つかない、煮え切らない自分。
…いや、逆にさ?今更…もし、本当に万が一 私が悠斗のことを好きだったとして!!
それで、このガトーショコラ渡して『好き』なんて伝えちゃったとして!!
そしたら、どうなるの?
私たちの関係って…?
『俺も好きだったよ』なんて、甘い恋愛ドラマみたいな展開なんて、あるわけない。
だって、悠斗だもん。
『冗談キツすぎ!』なんて言って振られて、今の関係にも戻れず…終わっちゃうかも。
……何それ、かなり辛いんですけど。
あー、もう…好きじゃん、これ。
私、悠斗が好きじゃん。本当にやだ。