放課後ニヒリスト
私はそれ以来、スプラッタ映画を全て調べて、あれと同じような内容の作品を探しているが、デジャヴどころか掠りもしない。
何だったのだろう、あれは。
映画から得た変な知識が作り上げた脳内劇場の演目の一つなのか、どこかで耳に入れた一家心中のニュースなのか、私の記憶の一つなのか。
よく聞くじゃないか。
前世の記憶だとか、胎児の時の記憶だとか。
ああ、怖い。それよりも私はホラーが見たいよ。
取り合えず、私は映画を借りて、先に店を出ていた6人に、お待たせ、といった。
あ、抹茶ソフト食べようよ。
どこだっけ、店。
服屋の前。行くよ。
のんびりと商店街を歩いて、私はビデオ屋のビニール袋を大きく前後に振り回す。
薬局の前を通る時、ヘアワックスについて話して。
コーヒー屋の前を通る時、次に買うケーキについて話して。
スーパーの前を通る時、今日の晩御飯について話して。
のんびりと歪んだレンガの道を歩いて、私は制服のままの彼らといろいろなことを話す。