放課後ニヒリスト
「帰ろっか」
私は残ったワッフルコーンの先っちょを口に押し込んで、立ち上がった。
「ん」
「俺も帰らねーと」
「じゃ、お開きにするか、少し早いけど」
「うん」
7人でぞろぞろと、商店街を歩く。
夕飯の買い物帰りの親子連れ、ちんたら走るおじいちゃんの自転車、危なっかしくスピードを上げたり緩めたりする軽自動車、あと、とにかく二度と会わないだろう人。
彼らの波にまぎれて、私は3年目の白昼夢を見ていた。
さよなら、知らないお母さん。
さよなら、知らないお姉ちゃん。
さよなら、知らないお父さん。
さよなら、知らない景色。
さよなら、さよなら、さよなら。