放課後ニヒリスト
「、っ」
アキラ先輩は、口元を抑えて教室から飛び出していった。
誰も、動くことは出来なかった。
校庭から聞こえてくる、部活動中の音が、やけにうるさく聞こえる。
「・・・・・あ、」
「アイツ・・・ここにいた頃はそんなことなかったのに・・・・」
「、ごめん」
訳もわからず、謝ってしまう自分が憎かった。
どうして。
彼はこんな言葉じゃ慰めきれないほど傷付いている。
なのに。判りきっているのに、謝ってしまう。
自分が居なくなればいいと思った。
「・・・明日の授業で、多分元うちの学校の生徒だってことは伏せて話されると思うぜ」
「だよね・・・まさか、うちの学校の人だったなんて言えないよね」
「・・・じゃあ、明日もお茶会するか?」
「あ、じゃあ学校帰りにシュークリーム買ってからいこうか」
「いつものケーキ屋?」
気付けば、いつもの調子に戻りつつあった。
でも、地軸はぶれたままだ。
軌道は完全には戻らないだろう。
私たちなりに、気にしないようにした。
私たちなりに、作り笑いをした。
明日、シュークリーム7個買えるかな。
変えなかったら・・・ワッフルでいいや。
それともいっそのこと作ろうかな。ワッフルメーカーあるし。