放課後ニヒリスト
やけにがらりとした電車の車内で、私たちは椅子に座って左右前後に揺れていた。
ビルの間から時々夕日が顔を出して私の背中を照らし、足元に7人分の灰色の影を作る。
「てゆかさ、」
急に不安になり、私は隣に座るレン先輩のブラウスの裾をつかんだ。
「ん?どうした」
「先輩たち、高等部に上がってもお茶会、来るよね?」
そう言って3人を見上げると、少し困ったように笑いながら、もちろんだ、と言った。
「俺らがいなくなっても泣くなよ?」
「そういえば校舎違うじゃん」
「渡り廊下の向こうとか、めったに行かないんだけど」
「じゃあ昼とかに来るか?」
いくら同じ学校の生徒だといっても、中学と高校は渡り廊下でしか繋がっていない。
少し距離が出来るのか、と思うと、寂しかった。
「卒業とかって感じがしねーな」
「多分泣くのはアンだけだろうな」
「2年組はどうでもよさそうな顔してやがる」
「どうでもよくねーよ。結構ショックだし」
「でも、ユウだって泣くでしょ」
「俺は男だ」
「とか言っておきながら大泣きすんだぜ?」
「うるせー」
げらげら笑って、それぞれが最寄り駅で降りていく。
残り、4人。