放課後ニヒリスト
それから、6歳の頃に私は今の両親に引き取られた。
仕事が忙しかったけど、きちんと私の話を聞いてくれたし、学校行事にも出てくれた。
教会にいた頃と同じように(もしかしたらそれ以上に)可愛がられ、ある日母親に勧められた中学受験を決心した。
で、受験合格。
進学と同時に一人暮らしを強要された。
最初は驚いたけど、私たちが暮らすために仕方が無いことだと思えば、なんともなかった。
だからといって、私だけが特別な事情を抱えているとは思っていなかった。
先輩達だって、何かしら嫌な過去を抱えている。
それと戦ってきたし、もしかしたらまだ戦っている最中なのかもしれない。
でも、それを無理に聞いてはいけないのはお互いに判っていた。
私だって両親の話をするのは嫌だし、事情を詳しく聞こうとする奴は殴ってやった。
クラスメートに一人は必ずいる、噂好きな女の子に色々聞かれても、うるさい黙れどっかいけで追い払ったし、周りと変な壁が出来たとしても私は勉強とだけお友達でいても構わないと思っていた。
だから、私は同じ傷(かといって全く同じ事情ではないが)を持つ6人以外には心を開きたくなかった。