放課後ニヒリスト
「えーっと。エマだっけ?」
「違う、エラ」
そう答えると、そっか、わりぃなんて言って、私の隣に座った。
恐らく疑問符があふれ出ていたのだろう。
私の顔を見て、彼は
「一緒に食おうぜ。なあ、いいっしょ?先輩」
と、5人を振り返りながら言った。
「ああ」
「人数が多いほうが楽しいしな」
彼らは、教室にいるエバンジェリストとは違う雰囲気をかもし出していた。
エバンジェリストの信仰するものが、己より権力のあるクラスメートなのか、それとも好きな歌手やタレントなのかは知らないが、とにかく私には信じられないシロモノなのは知っていた。
だから、私はフリーな6人に惹かれたんだと思う。
くだらない話をして、それで盛り上がって。
それが続いて、私たちは自然と一緒にいるようになった。
休み時間も、昼休みも、放課後も。
お菓子を広げて、笑い合う。
そんな毎日が楽しかった。
先輩、なんて呼んではいるけど、それは肩書きだけで、結局はタメ口で話していたりする。
フリーな彼らだから、私は惹かれたんだと思う。