放課後ニヒリスト
仕方がないから、家に着いたら、4人にはリビングにいてもらい、私はお風呂に直行。
明日が日曜日で本当に良かった。
ブラウスは破れたから、新しいのを買わなくちゃ。
「お前の着替えと下着、ここに置いとくぞ」
「ちょっと、リョータ先輩、勝手にタンス触るなよ。つーか下着見るな」
「バスタオル一枚でうろつくよりはマシだろ?」
ドア越しに、男女とは思えないやり取り。
へらっと笑って、私はシャンプーを流した。
「ねー、2人、来ちゃった?」
「まだだぜ」
ぴんぽーん。
来ちゃったね。あはは、早く上がれよ。うん。玄関開けたげて。
笑いながら、彼は玄関へ。
私はいそいで泥を洗い流す。
じん、と沁みる膝とひじ。
外し忘れたピアスは浴槽のふちで濡れていた。
換気扇を回して、ドアを開けると、脱衣所にはご丁寧に並べられたブラジャーとパンツがあって、なんとなく、ははっ、と笑ってしまった。
ピンクのブラと、そろいのパンツ。
これだけでリビングに行ったらみんなどんな顔するだろう、と思ったけど、未遂に終わる。
ビタミンカラーのワンピースと、ジーンズ生地のハーフパンツを着て。
足元を見下ろすと、菫色のペディキュアが目に入った。
すごく鮮やか。
ピンクのバスマットに、映える色だと思う。