LOVE物語2
4.誕生日
ーside尊ー
遥香に、不安な思いをさせた分も俺が遥香の誕生日をちゃんと祝いたい。
幸せの誕生日を過ごしてほしい。
俺はとりあえず、お姉さんだと思われる人にメッセージを送ってみた。
すると、返事は早くてすぐに帰ってきた。
やっぱりか。
この人は遥香の父親の姉。
それから、今の遥香の状態と気持ちをメッセージで送った。
このメッセージで分かった事は、この人の家族はみんなが遥香に会いたがっているということ。
自分を攻め続けてきた遥香を、その苦痛から開放させてほしいと言われた。
だけど、その言葉を伝えたとしても遥香が会いに行きたいっていうかは分からない。
でも、きっとお墓には行きたいって思っているはず。
だって、父親には大切にされていたんだから。
遥香は、お葬式にもお通夜にも行けなかったと聞いた。
だから、きっと。
「遥香。ちょっといいか?」
「なに?」
俺は遥香のベッドサイドにある椅子に座った。
遥香も半分だけ体を起こしてくれた。
無理させないように、辛くない体制にベッドを調整した。
「遥香…父親のお墓に行きたいか?」
俺は、単刀直入に遥香に聞いてみた。
遥香は俯いたままだった。
「遥香、顔上げて。」
遥香の顎をすくった。
「遥香?俯いたら、気持ちが暗くなるよ。見えてくるものも見えなくなる。段々自分の気持ちが分からなくなって不安になる。だから、顔を下げたらダメだよ。」
「不安な時でも?」
「あぁ。不安なら、俺のところに来い。顔を俯かせないくらい抱きしめてちゃんと向き合う。だから、不安な事は抱え込まないでちゃんと話してくれるか?今の気持ちも含めて。」
「…私、恨まれてない?夏樹さんや顔の知らないおばあちゃんやおじいちゃんに。私、会ったことないから分からないんだ…。それって他人に近いし、そんな他人に近い私が父親の命を奪った…だから私、お墓に行く権利なんか…ないよ。」
「遥香?遥香は勘違いしてる。まず、夏樹さんやお父さんの両親は遥香のこと恨んでなんかいない。むしろな?遥香に会いたがってる。夏樹さんが言ってたんだ。遥香がもし自分を攻めているなら、もう攻めないでほしいって。遥香がよければ、会いたいって言ってたよ。それが、家族の気持ちだって言ってた。」
遥香は俺の手を握った。
俺もそれに答えるように握り返した。
「尊も…来てくれる?」
「あぁ。遥香が来てほしいなら行くよ。」
「ありがとう。」
やっと笑顔になった遥香。
やっぱりこの笑顔は癒される。
理性を吹き飛ばされる危険な笑顔でもあるけど。
俺は、遥香の頭をなでてから遥香の荷物をまとめ始めた。
「私、退院できるの?」
「本当は、最低でも1週間は入院しててほしいって言われたんだけど、昨日退院したばかりなのにまた入院なんて嫌だろ?だから、俺がちゃんと遥香を診るっていうことと、週2で診察をするっていうことで退院が許可されたよ。」
「よかった!ありがとう尊。」
退院のできると聞いて本当に嬉しそう。
「その点滴と点滴台は持ち帰るからな。」
「え?」
表情が一気に強ばった遥香。
やっぱり点滴は嫌だよな…
「なんで?」
「遥香、血圧が低かったからその点滴は今日は抜けないんだ。」
「そんな…。」
「落ち込むなって。大丈夫だから。」
「痛い…」
「だいぶ内出血しちゃってるよな…。遥香の血管は元々細いから、何回も点滴をしてるとこうなっちゃうんだよな…。ごめんな。」
「何で尊が謝るの?尊はちゃんと1回で刺してくれるでしょ。私、頑張るから。治療も、お父さんのことも。」
「うん。一緒に頑張ろうな。」
遥香を優しく抱きしめ帰る支度が整ってから病室を後にした。
遥香を後部座席に乗せ、点滴台をできるだけコンパクトにして遥香の隣に置いた。
「遥香、運転してる時はちゃんと点滴台は抑えててな?ちゃんとストッパーかけたから大丈夫だとは思うけど。」
「分かった。」
「じゃあ、帰ろっか。」
「尊?」
「ん?」
遥香の方を向いた瞬間俺は不意打ちでキスされた。
ここでキスするか!?
抑えろ…俺。
遥香はまだ体調が万全なわけじゃないんだから。
でも、やっぱり…
「遥香、不意打ちは反則。襲いかねないよ。」
「さっきのはありがとうって意味を込めたキスだからね。」
「自分からしておいて、恥ずかしくなってんじゃないよ。」
さっきから顔が真っ赤な遥香。
いきなりで照れるのは俺の方だろ。
そう思いながらも、遥香の頭を撫で家へ向かった。
遥香に、不安な思いをさせた分も俺が遥香の誕生日をちゃんと祝いたい。
幸せの誕生日を過ごしてほしい。
俺はとりあえず、お姉さんだと思われる人にメッセージを送ってみた。
すると、返事は早くてすぐに帰ってきた。
やっぱりか。
この人は遥香の父親の姉。
それから、今の遥香の状態と気持ちをメッセージで送った。
このメッセージで分かった事は、この人の家族はみんなが遥香に会いたがっているということ。
自分を攻め続けてきた遥香を、その苦痛から開放させてほしいと言われた。
だけど、その言葉を伝えたとしても遥香が会いに行きたいっていうかは分からない。
でも、きっとお墓には行きたいって思っているはず。
だって、父親には大切にされていたんだから。
遥香は、お葬式にもお通夜にも行けなかったと聞いた。
だから、きっと。
「遥香。ちょっといいか?」
「なに?」
俺は遥香のベッドサイドにある椅子に座った。
遥香も半分だけ体を起こしてくれた。
無理させないように、辛くない体制にベッドを調整した。
「遥香…父親のお墓に行きたいか?」
俺は、単刀直入に遥香に聞いてみた。
遥香は俯いたままだった。
「遥香、顔上げて。」
遥香の顎をすくった。
「遥香?俯いたら、気持ちが暗くなるよ。見えてくるものも見えなくなる。段々自分の気持ちが分からなくなって不安になる。だから、顔を下げたらダメだよ。」
「不安な時でも?」
「あぁ。不安なら、俺のところに来い。顔を俯かせないくらい抱きしめてちゃんと向き合う。だから、不安な事は抱え込まないでちゃんと話してくれるか?今の気持ちも含めて。」
「…私、恨まれてない?夏樹さんや顔の知らないおばあちゃんやおじいちゃんに。私、会ったことないから分からないんだ…。それって他人に近いし、そんな他人に近い私が父親の命を奪った…だから私、お墓に行く権利なんか…ないよ。」
「遥香?遥香は勘違いしてる。まず、夏樹さんやお父さんの両親は遥香のこと恨んでなんかいない。むしろな?遥香に会いたがってる。夏樹さんが言ってたんだ。遥香がもし自分を攻めているなら、もう攻めないでほしいって。遥香がよければ、会いたいって言ってたよ。それが、家族の気持ちだって言ってた。」
遥香は俺の手を握った。
俺もそれに答えるように握り返した。
「尊も…来てくれる?」
「あぁ。遥香が来てほしいなら行くよ。」
「ありがとう。」
やっと笑顔になった遥香。
やっぱりこの笑顔は癒される。
理性を吹き飛ばされる危険な笑顔でもあるけど。
俺は、遥香の頭をなでてから遥香の荷物をまとめ始めた。
「私、退院できるの?」
「本当は、最低でも1週間は入院しててほしいって言われたんだけど、昨日退院したばかりなのにまた入院なんて嫌だろ?だから、俺がちゃんと遥香を診るっていうことと、週2で診察をするっていうことで退院が許可されたよ。」
「よかった!ありがとう尊。」
退院のできると聞いて本当に嬉しそう。
「その点滴と点滴台は持ち帰るからな。」
「え?」
表情が一気に強ばった遥香。
やっぱり点滴は嫌だよな…
「なんで?」
「遥香、血圧が低かったからその点滴は今日は抜けないんだ。」
「そんな…。」
「落ち込むなって。大丈夫だから。」
「痛い…」
「だいぶ内出血しちゃってるよな…。遥香の血管は元々細いから、何回も点滴をしてるとこうなっちゃうんだよな…。ごめんな。」
「何で尊が謝るの?尊はちゃんと1回で刺してくれるでしょ。私、頑張るから。治療も、お父さんのことも。」
「うん。一緒に頑張ろうな。」
遥香を優しく抱きしめ帰る支度が整ってから病室を後にした。
遥香を後部座席に乗せ、点滴台をできるだけコンパクトにして遥香の隣に置いた。
「遥香、運転してる時はちゃんと点滴台は抑えててな?ちゃんとストッパーかけたから大丈夫だとは思うけど。」
「分かった。」
「じゃあ、帰ろっか。」
「尊?」
「ん?」
遥香の方を向いた瞬間俺は不意打ちでキスされた。
ここでキスするか!?
抑えろ…俺。
遥香はまだ体調が万全なわけじゃないんだから。
でも、やっぱり…
「遥香、不意打ちは反則。襲いかねないよ。」
「さっきのはありがとうって意味を込めたキスだからね。」
「自分からしておいて、恥ずかしくなってんじゃないよ。」
さっきから顔が真っ赤な遥香。
いきなりで照れるのは俺の方だろ。
そう思いながらも、遥香の頭を撫で家へ向かった。