LOVE物語2
ーside尊ー
病院についたはいいものの、遥香の体調が気になって仕方なかった。
夜勤は本当だったけど、会議は遥香についた初めての嘘だった。
今日は、夏樹さんを呼び出した。
遥香が、ちゃんと考えていたことに対して気づかないわけもない。
ずっと、遥香はお父さんのことを考えていた。
遥香の思いは昔から変わってない。
だからこそ、俺も夏樹さんにちゃんと話をしておきたかった。
遥香の決めた決断を無駄にしないように。
それがたまたま、夜勤の始まる1時間も前だった。
時計は15時をしめしていた。
そろそろか。
コンコン
ドアの叩く音がしてドアの方を見た。
「はい。」
返事をすると夏樹さんが入ってきた。
深々とお辞儀をされた。
「こちらに座ってください。」
とりあえず、夏樹さんに向かい側に座ってもらった。
「白石遥香さんをご存知ですよね。」
「はい。弟から遥香ちゃんの話は伺っていました。ですが、今まで会えずにここまで来てしまいましたが。」
「遥香は、ずっと悩んでいた事はご存知だと思います。今も、自分を攻めていると思います。環境が悪かったけど、我がままを言ったのは自分だからって。そうやってあの子は、自分の感情を表に出すということをやめ、我慢強い子になってしまったんです。」
「我慢強い…?」
「あの日、どうして弟さんが外に出ていたか分かりますか?」
「はい。遥香ちゃんの誕生日ケーキを買いに行ったんですよね。でもそれは、遥香ちゃんに言われたからではないですよね?」
「はい。その通りです。遥香の母親がケーキを用意しなくてそれを可哀想だと思った遥香のお父さん…つまり弟さんが買いに行ったそうです。遥香は、前の日に父親に言ったそうです。絵本を見て、いちごのショートケーキが食べたいって。でも、私にはケーキなんてないよねって。そう言ったそうです。きっと、遥香のお父さんは遥香に最高の誕生日を送ってほしくてケーキを買いに行った。父親の娘への愛だったんです。これは、遥香の母親から聞いた話なんですけどね。そんなことを聞いたら尚更、幸せな誕生日を送ってほしいって思ったんです。それができるのは、遥香が父親の死ときちんと向き合って、自分を攻めることをやめさせることが出来る夏樹さんやお父さんのご両親なんじゃないのかって。」
「私も、家族も同じです。ずっと、気になっていたんです。父親が亡くなったことで自分を攻め続けているんじゃないかって。きっと、ずっとずっと辛い思いをしていたんだと思います。私も、18歳の誕生日は幸せに過ごしてもらいたいんです。これからもずっと、生まれてきてよかったって思っていてほしいんです。罪悪感でいっぱいの日にはさせたくありません。」
夏樹さんの考えはすごく遥香を想っていることが分かる。
だけど、ここはやっぱり慎重にいかないと。
遥香は、過去に深い後悔がある。
遥香のせいではないのに。
「今月の25日に、遥香を連れてお墓参り行こうと考えてます。いいですか?」
「はい。もちろんです。」
「それじゃあ、回診の時間ですので。」
「あ、分かりました。失礼します。」
俺は、夏樹さんと分かれ回診に向かった。
思っていた以上に優しい方ってことは分かった。
あとは、遥香の気持ちだな…。
それから、回診が終わると遥香の様子が気になっていて、輝に連絡をしていた。
「もしもし。」
「尊。どうした?」
「いや、遥香大丈夫?」
「さっきお粥食べさせたんだけど、半分も食べれなかったみたいで。」
「そっか。遥香、今体重が減ってるからなるべく食べてほしいんだけどな…。」
「さっき、なるべく高カロリーの点滴と血圧の薬の点滴も打ったから、寝てるよ。」
「ありがとう。」
「『遥香ちゃん!?』」
電話の向こう側で、発作が起きてることが分かる。
激しく咳き込む遥香。
こういう時、そばにいられないと情けなく思う。
発作おさまってくれ…。
「悪い、尊。後でかけ直す。遥香ちゃんは大丈夫だから。」
「輝、頼んだよ。」
「分かった。」
それから、輝はかけ直してくれた。
やっぱり、少しでも遥香の声が聞けないのは寂しいな。
そんなことを考えながら、患者のカルテを整理していった。
仮眠をとっていると、朝になっていた。
携帯が鳴りやっと遥香の声が聞けた。
電話で分かったけど、やっぱり遥香は父親のお墓参りに行くことを決断してくれた。
遥香は、やっぱりいざという時ちゃんと決断できる。
よし。
今日は早めに帰れるようにさっさと仕事終わらせるか!
病院についたはいいものの、遥香の体調が気になって仕方なかった。
夜勤は本当だったけど、会議は遥香についた初めての嘘だった。
今日は、夏樹さんを呼び出した。
遥香が、ちゃんと考えていたことに対して気づかないわけもない。
ずっと、遥香はお父さんのことを考えていた。
遥香の思いは昔から変わってない。
だからこそ、俺も夏樹さんにちゃんと話をしておきたかった。
遥香の決めた決断を無駄にしないように。
それがたまたま、夜勤の始まる1時間も前だった。
時計は15時をしめしていた。
そろそろか。
コンコン
ドアの叩く音がしてドアの方を見た。
「はい。」
返事をすると夏樹さんが入ってきた。
深々とお辞儀をされた。
「こちらに座ってください。」
とりあえず、夏樹さんに向かい側に座ってもらった。
「白石遥香さんをご存知ですよね。」
「はい。弟から遥香ちゃんの話は伺っていました。ですが、今まで会えずにここまで来てしまいましたが。」
「遥香は、ずっと悩んでいた事はご存知だと思います。今も、自分を攻めていると思います。環境が悪かったけど、我がままを言ったのは自分だからって。そうやってあの子は、自分の感情を表に出すということをやめ、我慢強い子になってしまったんです。」
「我慢強い…?」
「あの日、どうして弟さんが外に出ていたか分かりますか?」
「はい。遥香ちゃんの誕生日ケーキを買いに行ったんですよね。でもそれは、遥香ちゃんに言われたからではないですよね?」
「はい。その通りです。遥香の母親がケーキを用意しなくてそれを可哀想だと思った遥香のお父さん…つまり弟さんが買いに行ったそうです。遥香は、前の日に父親に言ったそうです。絵本を見て、いちごのショートケーキが食べたいって。でも、私にはケーキなんてないよねって。そう言ったそうです。きっと、遥香のお父さんは遥香に最高の誕生日を送ってほしくてケーキを買いに行った。父親の娘への愛だったんです。これは、遥香の母親から聞いた話なんですけどね。そんなことを聞いたら尚更、幸せな誕生日を送ってほしいって思ったんです。それができるのは、遥香が父親の死ときちんと向き合って、自分を攻めることをやめさせることが出来る夏樹さんやお父さんのご両親なんじゃないのかって。」
「私も、家族も同じです。ずっと、気になっていたんです。父親が亡くなったことで自分を攻め続けているんじゃないかって。きっと、ずっとずっと辛い思いをしていたんだと思います。私も、18歳の誕生日は幸せに過ごしてもらいたいんです。これからもずっと、生まれてきてよかったって思っていてほしいんです。罪悪感でいっぱいの日にはさせたくありません。」
夏樹さんの考えはすごく遥香を想っていることが分かる。
だけど、ここはやっぱり慎重にいかないと。
遥香は、過去に深い後悔がある。
遥香のせいではないのに。
「今月の25日に、遥香を連れてお墓参り行こうと考えてます。いいですか?」
「はい。もちろんです。」
「それじゃあ、回診の時間ですので。」
「あ、分かりました。失礼します。」
俺は、夏樹さんと分かれ回診に向かった。
思っていた以上に優しい方ってことは分かった。
あとは、遥香の気持ちだな…。
それから、回診が終わると遥香の様子が気になっていて、輝に連絡をしていた。
「もしもし。」
「尊。どうした?」
「いや、遥香大丈夫?」
「さっきお粥食べさせたんだけど、半分も食べれなかったみたいで。」
「そっか。遥香、今体重が減ってるからなるべく食べてほしいんだけどな…。」
「さっき、なるべく高カロリーの点滴と血圧の薬の点滴も打ったから、寝てるよ。」
「ありがとう。」
「『遥香ちゃん!?』」
電話の向こう側で、発作が起きてることが分かる。
激しく咳き込む遥香。
こういう時、そばにいられないと情けなく思う。
発作おさまってくれ…。
「悪い、尊。後でかけ直す。遥香ちゃんは大丈夫だから。」
「輝、頼んだよ。」
「分かった。」
それから、輝はかけ直してくれた。
やっぱり、少しでも遥香の声が聞けないのは寂しいな。
そんなことを考えながら、患者のカルテを整理していった。
仮眠をとっていると、朝になっていた。
携帯が鳴りやっと遥香の声が聞けた。
電話で分かったけど、やっぱり遥香は父親のお墓参りに行くことを決断してくれた。
遥香は、やっぱりいざという時ちゃんと決断できる。
よし。
今日は早めに帰れるようにさっさと仕事終わらせるか!