LOVE物語2
ーside尊ー
俺は梓と廊下に出た。
「あのさ、朝の職員会議で遥香ちゃんが尊と同じ大学に行くことに関して反対している先生が半分以上なの。」
「え?」
「うちの学校、進学校でしょ?それで、遥香ちゃんのクラスはその特進の理系クラスだからもっともっと上の大学を勧められてるの。それが成績上位者なら尚更。遥香ちゃんは3年間成績上位だから校長もいいところに行かせたいみたいね。おそらく、そのことを朝のHR後に校長に呼び出されて話をしたのかもね。」
いくら、遥香が成績上位者だとしても本人の意志を尊重しなくていいのかよ。
遥香が行きたいところに行かせてあげるように努力していくことが先生の勤めなんじゃないのか?
「分かった。俺が校長先生と話してみる。」
「え?」
「遥香のためだから。」
「それは頼もしいわね。」
俺は校長室へ向かった。
ドアをノックし、部屋へ入るよう促された。
「いつも遥香がお世話になってます。」
俺はそう言うと校長先生に頭を下げた。
「白石さん、勉強の方頑張っているみたいで全国模試10位以内に入ったんですよ。」
え?
俺は驚いた。
全国模試で1桁をとる事は大変なこと。
それを遥香はとったんだよな。
それなら、遥香は俺の大学じゃない方がいいのかもな。
遥香のやつ、また気を使って俺の勧めた大学を断れないのかもしれない。
そう考えると、何も言えなくなってしまった。
今、俺がやっている行動が遥香にプレッシャーを与えることに繋がるのかもしれない。
遥香にちゃんと話を聞く必要があるな。
本当の気持ちを聞かないと俺は動けない。
遥香のためにしてあげたいけど…
「それで、今日は。」
コーヒーを出した校長先生が聞いてきた。
「…また今度伺ってもよろしいですか?」
「はい。構いませんよ。」
「では。失礼します。」
俺は再び校長先生に頭を下げると遥香の元へ向かった。
保健室に入ると英単語帳を開く遥香。
辞めろって言っても辞めてくれないんだろうな。
それなら、支えよう。
俺は遥香が寄りかかれるように後ろに周り遥香の肩を支えた。
「そこまで介護しなくても大丈夫だよ。」
そうやって笑う遥香。
だけど、きっと無理している笑顔。
疲れが溜まっている事は分かる。
「俺がこうしてたいから。英単語覚えてのか?」
「うん…。でも、英語覚えられなくて。」
「英単語は覚えにくいよな…。じゃあ、一気に覚えずに区切って覚えたらいいんじゃないか?」
「尊も学生の時はそうやって覚えてたの?」
「そうだよ?俺もな英単語嫌いだったんだ。そんな時、一気に覚えようとしていた俺に梓が別のやり方をやっててな、それを真似したら覚えられたんだ。中学生の梓に教えられるとは思ってなかったけどな。」
「梓先生、英語の成績よかったんだよね?」
「あぁ。よく知ってるね。」
「尊待ってる時に、中間テストとか期末テストとか梓先生に英語教えてもらったの。」
「そうだったのか。」
「尊の英語嫌いも教えてもらったよ?」
「え?」
おい、梓は何を言ったんだよ。
「尊にできたなら私もできるかな?」
満面の笑みをする遥香。
バカにしてるんだろうけど可愛すぎるから嬉しいしいという感情しかない。
「できるよ、遥香なら。」
遥香のことを後ろから抱きしめた。
「私、尊のことバカにしたのにちょっとは拗ねてよ。」
「そんな可愛い笑顔で言われてもな。拗ねる必要なんてないだろ?」
「うるさい。」
そう言って抱きしめる手を振り払われて英単語帳で顔を隠された。
そういう所もたまらなく愛おしいと思う。
そんなことを思ってると、梓がカーテンを開けた。
「お取り込み中悪いけど、遥香ちゃん早退する?熱もあるみたいだし…。」
そういえば、体が少しだけ熱い。
「ちょっと、体温測ろう?」
俺は遥香の脇に体温計そっと入れた。
「梓、遥香の荷物持ってこれるか?」
「うん。」
それからしばらくして体温計が鳴った。
「いくつだ?」
中々答えない遥香。
体温計とずっと見つめあってるわけにはいかない。
遥香の方に回って体温計の数値を見る。
38.9
「遥香、辛いだろ?とりあえずベットに横になろう?」
遥香の肩を支えながら横に寝かせた。
「いつから具合悪かった?」
答えない事は分かってるけど…
「昨日の夜?」
遥香は素直に頷いてくれた。
まったく、また我慢してたのか。
体調が少しでも悪くなったら言えって言ってるのに。
「遥香ちゃん、荷物持ってきたよ。それと、これ宿題だって。無理そうだったらやらなくていいっぽいよ。」
遥香のプリントを受け取る手を止めて俺が受け取った。
「ちょっと。」
「今日は休め。じゃないと、遥香の体が壊れるぞ?」
「ダメだよ!やらないと…」
「ほら、ふらついてるだろ。」
遥香は俺からプリントを取り戻そうと体を少しだけ持ち上げたがふらついた。
「ほら。もう寝てな?」
「んー…」
何も言えない遥香を見ると相当具合が悪いことが分かる。
いつもは何かしら言い返すからな。
俺は遥香の荷物を持ち姫抱きにして車に乗せて家に帰った。
俺は梓と廊下に出た。
「あのさ、朝の職員会議で遥香ちゃんが尊と同じ大学に行くことに関して反対している先生が半分以上なの。」
「え?」
「うちの学校、進学校でしょ?それで、遥香ちゃんのクラスはその特進の理系クラスだからもっともっと上の大学を勧められてるの。それが成績上位者なら尚更。遥香ちゃんは3年間成績上位だから校長もいいところに行かせたいみたいね。おそらく、そのことを朝のHR後に校長に呼び出されて話をしたのかもね。」
いくら、遥香が成績上位者だとしても本人の意志を尊重しなくていいのかよ。
遥香が行きたいところに行かせてあげるように努力していくことが先生の勤めなんじゃないのか?
「分かった。俺が校長先生と話してみる。」
「え?」
「遥香のためだから。」
「それは頼もしいわね。」
俺は校長室へ向かった。
ドアをノックし、部屋へ入るよう促された。
「いつも遥香がお世話になってます。」
俺はそう言うと校長先生に頭を下げた。
「白石さん、勉強の方頑張っているみたいで全国模試10位以内に入ったんですよ。」
え?
俺は驚いた。
全国模試で1桁をとる事は大変なこと。
それを遥香はとったんだよな。
それなら、遥香は俺の大学じゃない方がいいのかもな。
遥香のやつ、また気を使って俺の勧めた大学を断れないのかもしれない。
そう考えると、何も言えなくなってしまった。
今、俺がやっている行動が遥香にプレッシャーを与えることに繋がるのかもしれない。
遥香にちゃんと話を聞く必要があるな。
本当の気持ちを聞かないと俺は動けない。
遥香のためにしてあげたいけど…
「それで、今日は。」
コーヒーを出した校長先生が聞いてきた。
「…また今度伺ってもよろしいですか?」
「はい。構いませんよ。」
「では。失礼します。」
俺は再び校長先生に頭を下げると遥香の元へ向かった。
保健室に入ると英単語帳を開く遥香。
辞めろって言っても辞めてくれないんだろうな。
それなら、支えよう。
俺は遥香が寄りかかれるように後ろに周り遥香の肩を支えた。
「そこまで介護しなくても大丈夫だよ。」
そうやって笑う遥香。
だけど、きっと無理している笑顔。
疲れが溜まっている事は分かる。
「俺がこうしてたいから。英単語覚えてのか?」
「うん…。でも、英語覚えられなくて。」
「英単語は覚えにくいよな…。じゃあ、一気に覚えずに区切って覚えたらいいんじゃないか?」
「尊も学生の時はそうやって覚えてたの?」
「そうだよ?俺もな英単語嫌いだったんだ。そんな時、一気に覚えようとしていた俺に梓が別のやり方をやっててな、それを真似したら覚えられたんだ。中学生の梓に教えられるとは思ってなかったけどな。」
「梓先生、英語の成績よかったんだよね?」
「あぁ。よく知ってるね。」
「尊待ってる時に、中間テストとか期末テストとか梓先生に英語教えてもらったの。」
「そうだったのか。」
「尊の英語嫌いも教えてもらったよ?」
「え?」
おい、梓は何を言ったんだよ。
「尊にできたなら私もできるかな?」
満面の笑みをする遥香。
バカにしてるんだろうけど可愛すぎるから嬉しいしいという感情しかない。
「できるよ、遥香なら。」
遥香のことを後ろから抱きしめた。
「私、尊のことバカにしたのにちょっとは拗ねてよ。」
「そんな可愛い笑顔で言われてもな。拗ねる必要なんてないだろ?」
「うるさい。」
そう言って抱きしめる手を振り払われて英単語帳で顔を隠された。
そういう所もたまらなく愛おしいと思う。
そんなことを思ってると、梓がカーテンを開けた。
「お取り込み中悪いけど、遥香ちゃん早退する?熱もあるみたいだし…。」
そういえば、体が少しだけ熱い。
「ちょっと、体温測ろう?」
俺は遥香の脇に体温計そっと入れた。
「梓、遥香の荷物持ってこれるか?」
「うん。」
それからしばらくして体温計が鳴った。
「いくつだ?」
中々答えない遥香。
体温計とずっと見つめあってるわけにはいかない。
遥香の方に回って体温計の数値を見る。
38.9
「遥香、辛いだろ?とりあえずベットに横になろう?」
遥香の肩を支えながら横に寝かせた。
「いつから具合悪かった?」
答えない事は分かってるけど…
「昨日の夜?」
遥香は素直に頷いてくれた。
まったく、また我慢してたのか。
体調が少しでも悪くなったら言えって言ってるのに。
「遥香ちゃん、荷物持ってきたよ。それと、これ宿題だって。無理そうだったらやらなくていいっぽいよ。」
遥香のプリントを受け取る手を止めて俺が受け取った。
「ちょっと。」
「今日は休め。じゃないと、遥香の体が壊れるぞ?」
「ダメだよ!やらないと…」
「ほら、ふらついてるだろ。」
遥香は俺からプリントを取り戻そうと体を少しだけ持ち上げたがふらついた。
「ほら。もう寝てな?」
「んー…」
何も言えない遥香を見ると相当具合が悪いことが分かる。
いつもは何かしら言い返すからな。
俺は遥香の荷物を持ち姫抱きにして車に乗せて家に帰った。