LOVE物語2
6.見つけたいこと
ーside遥香ー
「遥香…。起きて。」
尊に体をゆすられて目が覚めた。
「私…寝ちゃったんだ」
「あぁ。それはぐっすりとな。」
「尊、いい匂いする。」
「ん?俺じゃないよ。ご飯できたからリビングおいで。」
「はーい。」
痛!
体を半分だけ起こすと頭に激痛が走った。
「はい、薬。」
尊から水と頭痛薬を渡され飲み込んだ。
「うん、瞼は腫れてないな。」
目元から保冷剤を離し尊に渡した。
尊に正直な気持ちが話せて心が楽になった。
それから、頭痛が少しだけおさまりリビングに向かった。
「美味しそう!」
「よかった。そのハンバーグには俺の愛情が入ってるから絶対美味しいよ。」
「いただきます!」
ナイフで一口サイズに切ってから口に運んだ。
なにこれ…
今までに食べたことないくらい美味しい。
これが、愛情のこもったハンバーグ?
「え、そんなに美味しくなかった?」
私は首を横に振った。
「美味しすぎるよ尊。」
「よかった。」
そう言うと尊は笑顔になった。
「ほら、泣くなって。」
尊は親指で涙を拭ってくれた。
「泣いてないもん。」
「苦しい嘘だな。」
「尊も早く食べなよ。」
「そうだな。いただきます。」
2人で食事を済ませて、ゆっくりくつろいでいると私の携帯がなった。
宛先は大翔からだった。
「はい。」
電話に出るとにぎやかな声が携帯から聞こえてきた。
「あ、遥香?今から来れないか?」
「え?」
「今、千尋と一緒にいるんだ。尊さんと来なよ。」
そう言われても今何時?
時計を見ると20時をまわっていた。
「ちょっと待ってて。」
「分かった。」
「尊、今大翔から電話があってこれから来れないかって。」
「今から?」
「うん。」
「ちょっと待ってて?車のエンジンかけてくるから。」
「尊と来なよ。って言われたんだけど…」
「俺も?」
「うん。」
「んー、明日は午後から診察だから行けるよ。」
「よかった。」
私は大翔との会話に戻った。
「大翔?今から行くね。」
「お!よかった!千尋の家だから。うん、じゃあ、気をつけてくるんだよ。」
「分かった。」
大翔との電話を切り尊の車で千尋の家に向かった。
暗い夜道で、辺りがよく分からなかったけど、なんとか尊に道案内をして千尋の家にたどり着いた。
「こんばんは。」
「あ!遥香、尊先生!どうぞ上がってください」
玄関に入って気づいたけどもう1つ革靴が置いてあった。
「千尋、誰かいるの?」
「3年ぶりに私の兄貴が家に帰ってきたの。」
「え?千尋お兄さんいたの!?」
「いたよ。でも、ほとんど家にはいなかったけどね。最後に1度会ったのが3年前。だから、そこまで関わりなかったから、話す必要はないかなって思ってて。てか、兄貴に聞いてびっくりした。うちの兄も医者なんだけど、働いてるところが遥香が通院している所だったの。」
「え!?」
「千尋?早く上がってもらいな…って尊!?」
「朝陽!?」
私は驚いた。
まさか、朝陽先生が千尋のお兄さんだったなんて。
「尊、知ってた?」
「俺も今初めて知った。妹のことなんて話してなかっただろ。」
「あぁ、さっき千尋から聞いたと思うけどあまり家に帰らなくてな。訳あって俺は祖母の家に暮らしていたから。だから、関わりも少なかったし言わなかったんだ。ごめんな、尊。」
「いや、驚いたけど朝陽も色々あったんだな。」
「ほら、お葬式じゃないんだから!暗くなるなって。」
大翔が重くなった空気を明るくした。
「そうだよ。尊、今日は飲もう!」
「悪いな、俺は今日車で来たんだ。」
「え?泊まっていけばいいだろ?遥香ちゃんも。」
「そうだよ、遥香泊まりなよ!」
「え!でも私、お泊まりセット持ってきてないし…」
「薬とかは?」
「それはいつも持ち歩いてるからあるよ。」
「よし、決まりだな。」
お泊まりを決定したのは意外にも尊だった。
「そう来ないとな。」
「私達もオレンジジュースで乾杯しよう!」
「いいね!」
「オレンジジュースか…俺も早くお酒飲めるようになりたいな。」
「オレンジジュース嫌なら飲まなくていいよ。」
千尋は大翔のグラスを奪い取った。
「ちょ、ごめんって。千尋それ返して。」
「朝陽達に混ぜてもらってきなよ。」
「大翔。来るか?」
朝陽先生が大翔を呼んだ。
「お構いなく。」
「遥香、尊さんと同棲してもうそろそろ2年は経つよね?」
「うん。」
「尊さん、遥香にプロポーズしたの?」
千尋の唐突な質問に私は飲んでいたオレンジジュースを気管に詰まらせた。
「遥香、大丈夫!?」
「千尋…唐突すぎ。」
「ごめん。でもほら、大切な話でしょ?」
「んー、いずれは結婚したいって思ってるよ。プロポーズも、時期を見てしようと思ってる。」
「尊も、何でそんなに普通に言えるのよ。」
「熱々ですね。遥香と尊さん。」
「いいなー、俺もこんなに可愛い奥さん欲しい。」
「こら、遥香に手を出すなよ。」
「ちょ、遥香ちゃん隠すなよ。」
「見せ物じゃないんだ。」
「ちょっと、尊苦しいよ。」
「あ、ごめん。」
やっと力強い腕の中から解放してくれた。
「遥香、愛されてるね。」
千尋もにやにやしてる。
「でも、朝陽先生には素敵な人に立候補したんですよね?」
「素敵な人に立候補?」
尊の頭には、はてなマークでいっぱいだった。
入院中、近藤さんの恋の相談に乗っていた。
朝陽先生から告白されたことを聞いた。
でも、近藤さんはまだ結婚とか考えた事はなかったみたいで、結婚の立候補として朝陽先生が上がった。
付き合ってるのか、そうでないのかはよく分からないけど、きっと近藤さんも朝陽先生のことが好だと思う。
直接、近藤さんからは朝陽先生のことを好きって聞いてないけど、朝陽先生のこと気にかけてるし、いつも冷静な近藤さんが朝陽先生を目の前なすると動揺しているから、きっとそこには朝陽先生と同じ感情はあると思う。
あれから、退院して話は聞いてなかったけどどうなったのか気になっていた。
だけど、朝陽先生がこんな様子だときっと進展はなしなんだろうな。
「そういえば、遥香ちゃんって付き合い長いんだよな?」
「小さい頃からだから長いです。」
「何か話聞いた?」
「入院中に少しだけ。」
「ははは。遥香ちゃんは知ってるか。それなら、遥香ちゃん俺の恋のキューピットになってよ。」
「え!?」
「朝陽?遥香を巻き込むなよ。」
「いいですよ?」
「遥香!?」
「小さい頃からお世話になってるから、幸せになってもらいたいんです。」
「ありがとう、遥香ちゃん!遥香ちゃんが天使に見えるよ。」
「天使って、そんな大げさですよ。」
「いや!本当に天使だよ!」
「朝陽、遥香困ってるじゃん。」
千尋も困った顔をしている。
「遥香、私の部屋行こう!」
「え?」
「いいから。話したいことあるの。」
「分かった。」
私と千尋は部屋へ向かった。
「遥香…。起きて。」
尊に体をゆすられて目が覚めた。
「私…寝ちゃったんだ」
「あぁ。それはぐっすりとな。」
「尊、いい匂いする。」
「ん?俺じゃないよ。ご飯できたからリビングおいで。」
「はーい。」
痛!
体を半分だけ起こすと頭に激痛が走った。
「はい、薬。」
尊から水と頭痛薬を渡され飲み込んだ。
「うん、瞼は腫れてないな。」
目元から保冷剤を離し尊に渡した。
尊に正直な気持ちが話せて心が楽になった。
それから、頭痛が少しだけおさまりリビングに向かった。
「美味しそう!」
「よかった。そのハンバーグには俺の愛情が入ってるから絶対美味しいよ。」
「いただきます!」
ナイフで一口サイズに切ってから口に運んだ。
なにこれ…
今までに食べたことないくらい美味しい。
これが、愛情のこもったハンバーグ?
「え、そんなに美味しくなかった?」
私は首を横に振った。
「美味しすぎるよ尊。」
「よかった。」
そう言うと尊は笑顔になった。
「ほら、泣くなって。」
尊は親指で涙を拭ってくれた。
「泣いてないもん。」
「苦しい嘘だな。」
「尊も早く食べなよ。」
「そうだな。いただきます。」
2人で食事を済ませて、ゆっくりくつろいでいると私の携帯がなった。
宛先は大翔からだった。
「はい。」
電話に出るとにぎやかな声が携帯から聞こえてきた。
「あ、遥香?今から来れないか?」
「え?」
「今、千尋と一緒にいるんだ。尊さんと来なよ。」
そう言われても今何時?
時計を見ると20時をまわっていた。
「ちょっと待ってて。」
「分かった。」
「尊、今大翔から電話があってこれから来れないかって。」
「今から?」
「うん。」
「ちょっと待ってて?車のエンジンかけてくるから。」
「尊と来なよ。って言われたんだけど…」
「俺も?」
「うん。」
「んー、明日は午後から診察だから行けるよ。」
「よかった。」
私は大翔との会話に戻った。
「大翔?今から行くね。」
「お!よかった!千尋の家だから。うん、じゃあ、気をつけてくるんだよ。」
「分かった。」
大翔との電話を切り尊の車で千尋の家に向かった。
暗い夜道で、辺りがよく分からなかったけど、なんとか尊に道案内をして千尋の家にたどり着いた。
「こんばんは。」
「あ!遥香、尊先生!どうぞ上がってください」
玄関に入って気づいたけどもう1つ革靴が置いてあった。
「千尋、誰かいるの?」
「3年ぶりに私の兄貴が家に帰ってきたの。」
「え?千尋お兄さんいたの!?」
「いたよ。でも、ほとんど家にはいなかったけどね。最後に1度会ったのが3年前。だから、そこまで関わりなかったから、話す必要はないかなって思ってて。てか、兄貴に聞いてびっくりした。うちの兄も医者なんだけど、働いてるところが遥香が通院している所だったの。」
「え!?」
「千尋?早く上がってもらいな…って尊!?」
「朝陽!?」
私は驚いた。
まさか、朝陽先生が千尋のお兄さんだったなんて。
「尊、知ってた?」
「俺も今初めて知った。妹のことなんて話してなかっただろ。」
「あぁ、さっき千尋から聞いたと思うけどあまり家に帰らなくてな。訳あって俺は祖母の家に暮らしていたから。だから、関わりも少なかったし言わなかったんだ。ごめんな、尊。」
「いや、驚いたけど朝陽も色々あったんだな。」
「ほら、お葬式じゃないんだから!暗くなるなって。」
大翔が重くなった空気を明るくした。
「そうだよ。尊、今日は飲もう!」
「悪いな、俺は今日車で来たんだ。」
「え?泊まっていけばいいだろ?遥香ちゃんも。」
「そうだよ、遥香泊まりなよ!」
「え!でも私、お泊まりセット持ってきてないし…」
「薬とかは?」
「それはいつも持ち歩いてるからあるよ。」
「よし、決まりだな。」
お泊まりを決定したのは意外にも尊だった。
「そう来ないとな。」
「私達もオレンジジュースで乾杯しよう!」
「いいね!」
「オレンジジュースか…俺も早くお酒飲めるようになりたいな。」
「オレンジジュース嫌なら飲まなくていいよ。」
千尋は大翔のグラスを奪い取った。
「ちょ、ごめんって。千尋それ返して。」
「朝陽達に混ぜてもらってきなよ。」
「大翔。来るか?」
朝陽先生が大翔を呼んだ。
「お構いなく。」
「遥香、尊さんと同棲してもうそろそろ2年は経つよね?」
「うん。」
「尊さん、遥香にプロポーズしたの?」
千尋の唐突な質問に私は飲んでいたオレンジジュースを気管に詰まらせた。
「遥香、大丈夫!?」
「千尋…唐突すぎ。」
「ごめん。でもほら、大切な話でしょ?」
「んー、いずれは結婚したいって思ってるよ。プロポーズも、時期を見てしようと思ってる。」
「尊も、何でそんなに普通に言えるのよ。」
「熱々ですね。遥香と尊さん。」
「いいなー、俺もこんなに可愛い奥さん欲しい。」
「こら、遥香に手を出すなよ。」
「ちょ、遥香ちゃん隠すなよ。」
「見せ物じゃないんだ。」
「ちょっと、尊苦しいよ。」
「あ、ごめん。」
やっと力強い腕の中から解放してくれた。
「遥香、愛されてるね。」
千尋もにやにやしてる。
「でも、朝陽先生には素敵な人に立候補したんですよね?」
「素敵な人に立候補?」
尊の頭には、はてなマークでいっぱいだった。
入院中、近藤さんの恋の相談に乗っていた。
朝陽先生から告白されたことを聞いた。
でも、近藤さんはまだ結婚とか考えた事はなかったみたいで、結婚の立候補として朝陽先生が上がった。
付き合ってるのか、そうでないのかはよく分からないけど、きっと近藤さんも朝陽先生のことが好だと思う。
直接、近藤さんからは朝陽先生のことを好きって聞いてないけど、朝陽先生のこと気にかけてるし、いつも冷静な近藤さんが朝陽先生を目の前なすると動揺しているから、きっとそこには朝陽先生と同じ感情はあると思う。
あれから、退院して話は聞いてなかったけどどうなったのか気になっていた。
だけど、朝陽先生がこんな様子だときっと進展はなしなんだろうな。
「そういえば、遥香ちゃんって付き合い長いんだよな?」
「小さい頃からだから長いです。」
「何か話聞いた?」
「入院中に少しだけ。」
「ははは。遥香ちゃんは知ってるか。それなら、遥香ちゃん俺の恋のキューピットになってよ。」
「え!?」
「朝陽?遥香を巻き込むなよ。」
「いいですよ?」
「遥香!?」
「小さい頃からお世話になってるから、幸せになってもらいたいんです。」
「ありがとう、遥香ちゃん!遥香ちゃんが天使に見えるよ。」
「天使って、そんな大げさですよ。」
「いや!本当に天使だよ!」
「朝陽、遥香困ってるじゃん。」
千尋も困った顔をしている。
「遥香、私の部屋行こう!」
「え?」
「いいから。話したいことあるの。」
「分かった。」
私と千尋は部屋へ向かった。