LOVE物語2
ーside遥香ー
それから、1週間くらい経った。
私はやっと起きられるようになった。
「卒業式どうしよう…」
お腹の傷が痛くて、リハビリが始められそうにない。
尊には、身体を動かして傷が痛くなくなったらリハビリを始めようと言われた。
コンコン
「はい。」
ドアの先には母親とそと旦那さんと乃愛ちゃん、空君がいた。
「お姉ちゃん!」
駆け寄って来てくれる乃愛ちゃんと空君。
「遥香、大丈夫?」
初めて見る母親が私を心配する姿。
「大丈夫。」
「お腹…痛む?」
空君が不安そうな顔で私の顔をのぞき込んだ。
「大丈夫だよ!」
今にも泣きそうな空君と乃愛ちゃん。
「入院してるけど、退院できるから安心して。」
私はそう言うと2人を抱きしめた。
「本当?お姉ちゃん、退院できる?」
「できるよ。大丈夫。」
私は2人に笑って見せた。
「よかった!」
やっと明るくなった空君と乃愛ちゃん。
「遥香、りんご食べる?」
「うん。」
「待っててね。」
そう言うと母親はりんごを洗い果物用の小さいナイフで皮をむき始めた。
ナイフ…
怖い…
どうしてこんなに怖いの?
母親の持つナイフだから?
すると、私の頭の中にあの時の事件がフラッシュバックし記憶が一気に戻ってきた。
「嫌!」
気づくとそう泣き叫んでいた。
震える身体。
怖くて、仕方なかった。
尊…
助けて。
「遥香!?どうしたの!?」
ナイフを置いて私の背中を擦ろうと手が伸びてきた。
ナイフを触っていたその手が怖い。
「触んないで!」
母親の腕を振り払っていた。
「すみません、遥香ちゃんが!」
母親の旦那がナースコールを押した。
それからすぐ、尊と近藤さんが入ってきた。
「遥香!」
「やだ…やだ!近寄んないで!」
安心できるはずの尊なのに。
「大丈夫。大丈夫だから落ち着こう。」
尊がそう言いながら、抱きしめてくれた。
だけど、今は人間が怖い。
優しいはずなのに。
助けを求めていたはずなのに。
尊でさえ、安心できない。
分かってる。
尊は、私を傷つけたりしない。
そんなことくらい分かってる。
「近藤さん、紙袋持ってきて。あと吸入と安定剤も。」
「はい!」
気づけば私は呼吸がしにくくなっていた。
恐怖が上回っているから息苦しさを感じなかった。
「遥香、安心しろ!すぐ楽になるから。」
楽になる?
私を殺そうとしてるの?
「発作出てきたな…」
止まらない重い咳が私を襲う。
「持ってきました!」
「ありがとう。」
私はそこで意識を手放した。
それから、1週間くらい経った。
私はやっと起きられるようになった。
「卒業式どうしよう…」
お腹の傷が痛くて、リハビリが始められそうにない。
尊には、身体を動かして傷が痛くなくなったらリハビリを始めようと言われた。
コンコン
「はい。」
ドアの先には母親とそと旦那さんと乃愛ちゃん、空君がいた。
「お姉ちゃん!」
駆け寄って来てくれる乃愛ちゃんと空君。
「遥香、大丈夫?」
初めて見る母親が私を心配する姿。
「大丈夫。」
「お腹…痛む?」
空君が不安そうな顔で私の顔をのぞき込んだ。
「大丈夫だよ!」
今にも泣きそうな空君と乃愛ちゃん。
「入院してるけど、退院できるから安心して。」
私はそう言うと2人を抱きしめた。
「本当?お姉ちゃん、退院できる?」
「できるよ。大丈夫。」
私は2人に笑って見せた。
「よかった!」
やっと明るくなった空君と乃愛ちゃん。
「遥香、りんご食べる?」
「うん。」
「待っててね。」
そう言うと母親はりんごを洗い果物用の小さいナイフで皮をむき始めた。
ナイフ…
怖い…
どうしてこんなに怖いの?
母親の持つナイフだから?
すると、私の頭の中にあの時の事件がフラッシュバックし記憶が一気に戻ってきた。
「嫌!」
気づくとそう泣き叫んでいた。
震える身体。
怖くて、仕方なかった。
尊…
助けて。
「遥香!?どうしたの!?」
ナイフを置いて私の背中を擦ろうと手が伸びてきた。
ナイフを触っていたその手が怖い。
「触んないで!」
母親の腕を振り払っていた。
「すみません、遥香ちゃんが!」
母親の旦那がナースコールを押した。
それからすぐ、尊と近藤さんが入ってきた。
「遥香!」
「やだ…やだ!近寄んないで!」
安心できるはずの尊なのに。
「大丈夫。大丈夫だから落ち着こう。」
尊がそう言いながら、抱きしめてくれた。
だけど、今は人間が怖い。
優しいはずなのに。
助けを求めていたはずなのに。
尊でさえ、安心できない。
分かってる。
尊は、私を傷つけたりしない。
そんなことくらい分かってる。
「近藤さん、紙袋持ってきて。あと吸入と安定剤も。」
「はい!」
気づけば私は呼吸がしにくくなっていた。
恐怖が上回っているから息苦しさを感じなかった。
「遥香、安心しろ!すぐ楽になるから。」
楽になる?
私を殺そうとしてるの?
「発作出てきたな…」
止まらない重い咳が私を襲う。
「持ってきました!」
「ありがとう。」
私はそこで意識を手放した。