それでも君が好きだった




日が暮れでも、女が出て行く気配はなかった。






「麻美、いい加減お兄ちゃん呼んできてくれる?」





片眉をつり上げて面倒臭そうにお母さんが言った。







「自分で行けば?」




「…」








いつもそう、


この人はあたしとお兄ちゃんを産んでやったとでも思っているのだろうか?



母親ヅラして、




時々無性に、






無性に腹が立つ。













みんな悠斗みたいに、

綺麗に生きられたらいいのに。













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