それでも君が好きだった




それに気付いたのは、




もう随分前のことになる。












「お前、いつもソレなのな。」




この日は親が両方共、帰りが遅くなるってことで自宅近くのファミレスに兄ちゃんと悠斗と三人で来ていた。






「うん、好きなんだオムライス。」






悠斗は兄ちゃんとよくここに来るらしい。





そしていつも同じメニューを注文をするらしい。







「まあ、イイけどよ…







それよりお前だ!

いつまで迷ってんだよ、てめェは!!」






兄ちゃんがあたしからメニュー本を取り上げて怒鳴る。





悠斗はただいつものように微笑んで兄妹の他愛もないケンカを見ていた。









「面倒くせーヤツ…




悠斗、俺ちょっとタバコ取ってくるわ。





てめェはとっと決めて、注文しとけ!」








そう言ってメニュー本をあたしの頭に乗っけると、兄ちゃんは車へとタバコを取りに行った。










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