チャット恋愛注意報!!(新)


気付かれてるのに、無理に隠しても仕方ない。

そう思ったから、私は素直にテンションの低さを認めることにした。



 ────


 サクラ>フジヤマは凄いね。確かに私、今ちょっとテンション低いかも

 フジヤマ>俺は天才だからなw

 フジヤマ>で、どうした? ユージにエロいことでも言われたかー?


 ────


連続で画面に表示されたフジヤマの言葉に、クスッと笑う。



「もー……フジヤマってば、ほんと馬鹿なんだから……」



……でも、ちゃんと心配してくれている。

だって、『どうした?』って聞いてるフジヤマの言葉に、『(笑)』も『w』もついていないから。



「フジヤマは馬鹿だけど、とっても優しい人だ」



……文字だけで気持ちを表すのは、とっても難しい。

だけどそれでも、ずっと一緒に居ると気付くものだね。


ほんの少しだけ違う、いつもの態度。

私のテンションの低さがフジヤマに伝わったように、私にも、フジヤマの優しさが伝わってくるよ。



 ────


 サクラ>ユージはフジヤマと違うから大丈夫だよw

 フジヤマ>え、俺エロくないよ? 優しいよ?

 サクラ>その言葉が既に嘘臭いw

 フジヤマ>確かになw ってうるせーわw


 ────


画面にテンポよく表示される言葉に、また笑う。

やっぱり私、この空間が好きだ。

フジヤマと話していたら、さっきまで感じてた不安なんて全部吹っ飛んだ。


< 19 / 350 >

この作品をシェア

pagetop