チャット恋愛注意報!!(新)


「これ、フジヤマ本人だと思う?」


画面を覗き込んできたユージがポツリと言う。

その言葉に、私は迷いながら答えた。



「……フジヤマっぽいと言えば、フジヤマっぽいと思う」

「うん、まったくの同意見。 じゃあメールしてみるね」

「えっ……で、でもっ……成り済ましかもよっ……?」


「そん時はそん時。 もしなんかあっても、俺のメアドを変えれば済むことだから」



パソコンの画面と携帯の画面を交互に見ながら、ユージは携帯を操作していく。


ドキン、ドキン、ドキン。

緊張で、胸が張り裂けそう……。



「なんて書いて送る? 俺らが2チャットでメアド交換した時みたいに、リアルで会った日のフジヤマの格好聞いとく?」

「あ、それいいかもっ」

「オッケー、じゃあそれを書いて送信……っと」



素早くメールの本文を書いたあと、ユージはすぐに送信ボタンを押した。

なんの迷いもなく、あっという間に。


……そして、その直後。



「あ、もう来た」

「えっ!?」



……フジヤマと思われる人物からのメールが、ユージの携帯に届いた。


< 210 / 350 >

この作品をシェア

pagetop