チャット恋愛注意報!!(新)


『それで? サクラとユージ付き合うの? んで今一緒に居る、と』

「うんっ。 私の部屋でチャットしようって思ってパソコン開いたら、フジヤマのメアドがあったのっ」

『……え、ちょい待ち。 サクラの家? 俺には家の場所教えてくれなかったのにユージには教えたの? つーかオイ、二人きりかよこの野郎っ。 あれか、ラブラブチュッチュの最中だったってかチクショウめっ』


「ちょっ……私たち別にっ……!!」

『でも恋人になったんだろ? 男はみんな狼だからなぁ、ユージだって隙あらば襲ってくるぞい?』

「……っ……」



フ、フジヤマってば、恥ずかしげもなくそんなことを……。

あぁもうっ、聞いてる私の方が恥ずかしくなってきたよっ。


ていうかっ。 すぐ近くにユージが居るのに、こんなことを話してるなんてっ……。






「聞こえてるよ、フジヤマ」

「あっ……」



ユージが、微笑みながら私の携帯をひょいっと取って、自分の耳にあてた。



「それより、忙しいのは終わったの?」

『おう、バッチリ終わったぜー』

「そっか。 じゃあ、またチャットに戻ってくる?」


『当たり前じゃん。 あのサイトが無くなるまで、俺は辞めねぇよ』



けらけらと笑うフジヤマ。

……電話はユージの耳元にあるのに、フジヤマの声がしっかり聞こえてくる。

これは、うん……私とフジヤマのやり取り、ユージに全部聞こえてたね。

……わあぁっ、恥ずかしすぎるっ……!!


と一人で悶えていた時。

一呼吸置いたフジヤマが言った。



『なぁユージ、あのあとYUKIと連絡ついた?』


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