チャット恋愛注意報!!(新)
……私にもしっかりと聞こえた言葉。
ユージは小さく息を吐き出してからそれに応えた。
「残念ながら、音沙汰なしだよ」
『そっか。 まぁ、それぞれ事情ってのがあるからな』
「うん」
小さく頷いたユージは、どこか寂しそうに微笑んでいる。
……フジヤマとまた話せたのは嬉しいけど、YUKIが居ないのはやっぱり寂しいもんね……。
私も同じ気持ちだ。
……あ、そうだ。
6年前のこと……YUKIがフジヤマとユキさんのチャットを見てたってこと、話したかったんだっ。
「ユージ。 少し、フジヤマと話してもいい?」
「あ、6年前のこと話す? じゃあ俺、その間パソコンでチャットしててもいい?」
「うん、全然オッケーだよっ」
「ん。 じゃあ、はい」
再び戻ってきた携帯電話。
それを耳にあてて、静かに息を吐き出した。
「……フジヤマ、今の聞こえてた?」
『6年前のことがどうとかってやつ? ユージに話したんだな』
「……話したのは私じゃなくて、YUKIなんだよ」
『え?』
……そう、話したのは私じゃなくてYUKI。
YUKIが、6年前のことをユージに話したんだ。