チャット恋愛注意報!!(新)
せっかくさっき泣き止んだのに。
ちゃんと笑顔でバイバイを言いたいのに。
……ダメだ。 また泣きそう……。
「……」
黙ったまま、困ったような顔をするユージ。
困らせちゃって、本当にごめんなさい……。
「わ、私は、大丈夫だから……。 だから、ね? 駅行かないと電車に乗り遅れちゃうよ? ほら、田舎だから電車少ないし。 乗り遅れたら、ほんと、大変だからっ……」
なんとか無理矢理に言葉を繋げる。
……大丈夫、喋っていれば涙は落ちない。
大丈夫、大丈夫……。
「……うんっ、もう本当に大丈夫っ。 メール待ってるねっ。 あ、家着いたらパソコン立ち上げてね? 多分 私、フジヤマとチャットしてるからっ」
「ん、りょーかい」
「あっ、門のところまでは送らせてねっ。 靴 履くから、ちょっとだけ待っててっ」
「……ねぇウメちゃん、ちょっとだけ乱暴にするから、痛かったらごめん」
「へっ? わっ……」
靴を履いた直後。
というか、履いてる途中で、ユージにグイッ…と手を引っ張られた。
そしてそのまま、私はユージの胸の中へ……。