チャット恋愛注意報!!(新)
「そっか、だからフジヤマは昨日、久々にチャットに来たYUKIを見て違和感を覚えたんだね。 ユキさん…千歳さんが居ない状態での発言だったから。 ……もっとも、俺とサクラは普通にYUKIっぽいって思ったけど」
冷静なユージの声に、YUKIはまた微笑んだ。
「俺も、今までYUKIを演じてきたから『行ける』って思ったんだ。 でもフジヤマには通じなかった。 ちい姉が書き込みしてる時には、全く気付かなかったくせにね」
「いやいやいやっ、だって『俺の知ってるユキ?』って聞いた時、お前『違う』って言ったじゃんっ。 それに、年齢も違ってたし。 大体なぁ、二人で一人をやってるとは普通思わねぇよ?」
「ん…そうだね、俺もフジヤマが二人居たら嫌だなって思うよ」
「……ちょ、なんか違くね? なんで俺が二人居るって話になってんだっ」
なんて、まるでチャットしてる時みたいに話すYUKIとフジヤマ。
もちろん、ここに居るのは女子大生のYUKIじゃないから、会話の感じは全然違うけどね。
でも、日常がここにある。
YUKIとフジヤマの会話を聞いて、私はクスクスと笑って、ユージは『俺もフジヤマが3人居たら嫌だな』なんて会話に乱入して、『増えてるしっ』って即ツッコミされて。
その後また、みんなで笑い合う。
……幸せな、日常だ。
だから思う。
この場所に、ユキさんも…千歳さんも居てほしい、と。
『女子大生のYUKI』を演じていたのは、ここに居るYUKIと、現在入院中の千歳さん。
だから居てほしい。
千歳さんも、私たちの大切な仲間だって思うから……。