チャット恋愛注意報!!(新)
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そして、約1時間後。
色々な話をしながら盛り上がってた私たちだったけど、病院が近づくにつれて言葉少なになっていた。
唯一普段と同じだったのは、千歳さんの現状を知っているYUKIだ。
「ちい姉は個室だから、チャットの話とか色々と自由に出来ると思う。 でも、あんまりアホなことは言わないでね?」
「……おいコラYUKI、『アホなこと』って言いながらなんで俺を見るんだ?」
「アホなことを言うのはフジヤマくらいだろう?」
「大丈夫だ、俺はアホじゃなくて馬鹿だから」
「同じでしょ」
そう言いながら、YUKIはふふっと笑う。
そんなYUKIに、フジヤマは小さく笑みを浮かべた。
サングラスをかけているから、目元はわからなかったけどね。
そんな会話のあと、フジヤマは病院の駐車場へと車を停めた。
「……あぁヤバい、普通に緊張してきた」
「フジヤマたちが来るってこと、ちい姉に話してたから大丈夫だよ」
「……そうだとしても、緊張するってばよ」
「じゃあ車で3分、気を落ち着かせて。 その間に面会の手続きを済ませてくるから」
そう言ったあと、YUKIはスタスタと病院の方へと歩いていった。
「……フジヤマ。 だい、じょうぶ……?」
「ん…3分で落ち着かせる。 お前らも先行ってていいぞー? ほら、ユキに会う前に、トイレとかトイレとか、トイレとか行っとけ?」
「うん……じゃあ、中に行ってるね」
「おうよ」
運転席からひらひらと手を振ったフジヤマに手を振り返したあと、私とユージは病院の中へと向かった。