チャット恋愛注意報!!(新)
「わぁ……」
部屋の中はとても広々としていて、立派な棚やテーブルがあり、テレビも大きい。
そして何よりも驚きなのが、トイレとシャワールームが設置されていることだ。
……もうね、私の部屋よりかなり大きい。 かなり立派。
こんなに凄い病室を借りるなんて、もしかしてYUKIの家はお金持ちなんだろうか……なんて場違いなことを思いながら、小さく息を吐く。
そのあと、窓際にあるベッドへと視線を移した。
ふかふかで柔らかそうなベッドの上で、小柄な女の人が眠っている。
「ちい姉?」
YUKIが声をかけるけど、相変わらず返事はない。
傍らには雑誌が置いてあり、それを読みながらゴロゴロしてる途中で眠ってしまったみたい。
この人が、千歳さん……。
すっごく綺麗な人だ。
心臓に病気を抱えているなんて、言われなきゃ絶対わかんない。
「……来たよ、ユキ」
そう言ったフジヤマは、ベッドの近くにあったイスにそっと腰を下ろした。
「やっと会えた。 やっと、お前のことを知ることが出来た」
……それは、とても小さな声だった。
とても小さくて、今までにないくらいに優しい声だった。
麦わら帽子とサングラスで、フジヤマの顔を見ることは出来なかった。
だけど多分、フジヤマは笑ってる。
きっと、声と同じくらい…ううん、それ以上に優しい顔で笑ってる。
「……ちい姉。 みんなを連れてきたよ」
そっと近づいたYUKIが、今度は千歳さんの体を少しだけ揺すった。