チャット恋愛注意報!!(新)
【YUKI、もうロータリーに居る?】
と書いたメールを、YUKIに送る。
……あの人がYUKIならいいなぁ。
だって私が想像してたYUKIと、ほとんどピッタリ合うんだもん。
私のイメージ通りだったらいいな……。
なんて思いながら、携帯をギュッと握り締め時だった。
「……あっ……」
──……女の人が私の方を見て微笑んだ。
YUKI……あの人が、本当に本当にYUKIだったんだっ……。
「YUKIっ……」
私の元へと駆けてくる女性に、手を伸ばす。
……だけど、その女性は“私の横の方”を見て手を振った。
「もぉっ。 待ちくたびれたよー」
「ごめんごめんっ、道路混んでてバスが遅れたんだっ」
「だったら先に連絡してよー」
「ほんっとごめんなー」
手で『ごめん』のポーズを取りながら、私の横を通りすぎていく男性。
男性と女性は仲良さそうに手を繋ぎ、楽しそうに会話しながらその場を去っていった。
……あの女性はYUKIじゃなくて、赤の他人だったんだ。
うっわ恥ずかしい!!
私ってば、あの人がYUKIだと思って手を伸ばしちゃったよ……。
「……」
伸ばした手を、ゆっくりゆっくり元の位置へと戻していく。
……よし、大丈夫。
私は幽霊みたいなもんだから、今さっきのことは誰にも見られていないはず。
大丈夫、大丈夫……。
「……っ……」
……って、メガネをかけた男の人とバッチリ目が合ったのですが……。
しかもそれ、哀れみの目……だよね。
うぅ……最悪だ。
最悪の場面を見られた……。
今すぐこの場所から逃げ出したい。
でも、ここに居なきゃみんなに会えない……。
「……」
……結局私は、体を縮められるだけ縮め、その場に残った。
本当にもう、泣きたい気分だよ……。
みんな早く来て。
ていうか、メガネの人さっさとどっか行ってくれないかな……。
♪~♪~♪~
あっ……YUKIからメールだっ。