チャット恋愛注意報!!(新)
その時、チラリと後ろを見たら……フジヤマは何故か私に投げキッスを贈ってきた。
……はい、問答無用で叩き落とします。
飛んできただろうハートをバシッと叩き落とすように腕を振り下ろしたら、フジヤマは『やると思った』って感じで大笑い。
そんなフジヤマを見て、私も思わず笑みをこぼした。
駅にはたくさんの人が居たけれど、それでも私はフジヤマとの掛け合いを楽しんでいた。
きっと、私たちを見てた人は『変な奴ら』って思っただろうけどね。
だけど それでもいいんだ。
だって私、“今”を楽しみたいって思ったから。
一度だけの人生の、一度だけの“今”。
それを、これからもずっとずっと大切にしていきたいと思うんだ。
「……フジヤマ、またねっ」
もう一度 挨拶をした私に、フジヤマは小さく頷いて手を振った。
とても優しく、嬉しそうで、幸せそうに。
──そして……、
【嫁が出来ました】
というメールがフジヤマから送られてきたのは、その4日後のことだった。