チャット恋愛注意報!!(新)


「最後に降りてくるのかな?」



と呟いた時、楽しそうに喋りながら歩いてくる二人を発見した。



「ユージっ、YUKIっ」



私はここだよっ。って伝えるように手を振って、笑顔を見せる。

そんな私に気付いた二人は、それぞれ笑いながら小さく手を振った。


改札を抜けたあと、ユージがすぐに声をかけてきた。



「降りてくるの、遅くなってごめんね」

「ううん、大丈夫っ。 でも乗ってなかったのかと思ってビックリしたよー」

「ごめんごめん。 予想以上に人が多かったからさ、最後に出た方がいいなって思ったんだ」



と言ったユージに、YUKIも頷いて応える。

そのあと、YUKIが私に少し大きめの紙袋を差し出した。

その中に入っているのは、どうやらお煎餅の詰め合わせらしい。



「これ、うちの“義兄(あに)”と姉から」



……義兄と姉。

どちらも名前は出なかったけど、それが誰のことなのかは言わなくてもわかる。


それはもちろん、フジヤマと千歳さんのことだ。


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