チャット恋愛注意報!!(新)


「こんにちは」

「あっ……こ、こんにちは……」



ニコッと笑った男の人は、私に向かってピースを繰り出した。

それは、あの時のメールと同じ……。



「ユージ…さん……?」

「うん、俺」

「……わ、私、サクラですっ……!!」


「知ってる。 だから声かけたんだよ」



優しく笑うその顔に、私は小さく何度も何度も頷いた。


……ユージだ。

チャットで知り合ったユージが目の前に居る。


私たち、ついに会ったんだ……。



「YUKIとフジヤマから連絡あった?」

「あ、えっと……YUKIとはさっきメールしてたけど、どこに居るかまでは聞いてない…です」

「そっか、じゃあまだ到着してないのかもしれないね」


「……で、ですね……はい……」



……ヤバい、ダメだ。

私、すっかりリアルの私になっちゃってる。

佐久間 梅、人見知り発動中……。


ユージと目を合わせることすら出来ない。

ていうか、会話も止まっちゃった……。


どうしよう、気まずい。

かと言って、どう声をかければいいのかもわからない。


うぅ……ネットの中のサクラなら、気の利いたこと言えるのに……。


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