チャット恋愛注意報!!(新)


「俺たちって、『共通の話題』が極端に少ないよね。 というか、ほとんど全部チャットで話しちゃったし。 だからリアルでこうやって改めて話すと、なかなか言葉が見つからないんだと思う」

「……確かにそうかも。 だから、ついついフジヤマやYUKIのことを話しちゃうんだよね……」

「うん、特にフジヤマはその存在自体が面白いからね。 あ、夏休みが終わったら、学校のこととか友達のこととか、色々聞きたいなって思ってるから よろしくね」



……学校のこと。 友達のこと。


そう言われて、一気にテンションが下がってしまう。

だって私、学校だと存在感のない幽霊みたいな奴だし。


友達なんて全然居ないから、「色々」と言われても正直困ってしまう。



「……私、友達なんて居ないから、学校のことは全然何も話せないよ?」

「今は居ないかもしれないけど、夏休みが終わったら違うかもしれないだろ?」

「うーん……どうだろう……」



出来上がってるグループに、簡単に入っていけるほどの度胸はない。


だから結局、夏休みの前と同じ状態が続くんだと思う。

私は幽霊みたいな存在で、この先もずっと学校では一人きり。

それが、私だ。


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