チャット恋愛注意報!!(新)
「……行っちゃった」
振り返ることなく歩いていったユージを見送り、静かに空を見上げる。
……快晴だ。
そして暑い。 さすが夏。
ユージと喋ってる時は全然気付かなかったけど、たくさんのセミが忙しなく鳴いている。
その声がまた、暑さを助長してる……。
「……ユージってチャットと全然違うけど、でも……やっぱりユージはユージだね」
さっきまでのやり取りを思い出しながら、クスッと笑う。
最初は凄く緊張してたけど、でも今は全然そんなことはない。
ユージとも少しずつ話せるようになってきたと思う。
……フジヤマやYUKIとも、ちゃんと話せたらいいな。
チャットと同じように…は、まだ無理かもしれないけど……でも、みんなで笑って話したい。
「……みんなといっぱい話したいなぁ」
そう言いながら、静かに微笑んだその時──、
「ねぇキミ、暇? 暇なら俺とどっか遊びに行かない?」
──……さっきまでユージが居た場所にドカッと座ったサングラスの男の人が、ニッと笑って私を見た。