チャット恋愛注意報!!(新)


「ていうかその服ヤバい、ツボった。 フジヤマがマジでフジヤマすぎてヤバい」

「おう、狙い通りだぜい」

「フジヤマはチャットと全然変わらないね。 あぁでも、想像してたよりオッサンだったけど」


「いやいや、サクラにも言ったが俺は20代だぞ? チョー若者だぞ?」

「俺らから見たら20代なんて普通にオッサンだよ」



楽しそうに笑いながら話すユージとフジヤマ。

まるで、チャットの中そのものな感じだ。


……凄いなぁ。

会ったばかりなのにもう打ち解けてる。


あ、でも……私もフジヤマとはすぐにいつもみたいに話してたっけ。

あれだね、見た目が強烈すぎたせいで、ツッコミどころが満載だったからだ。



「あっ、そのお茶くれんの? さすがユージ、太っ腹!!」

「いやいや、それサクラの分だから」

「そうか、じゃあ飲みかけのコーラで我慢するしかないな」


「いやそれ俺の……って、既に奪って飲んでるしっ」



……ユージが持っていた飲みかけのコーラをあっという間に奪っていったフジヤマは、これまたあっという間に飲み干してしまった。



「ごちそーさんっ」

「……あぁはい、お粗末さまでした」

「んでよー、ユージ」


「ん?」

「YUKIっぽい奴、その辺に居なかった?」



……あ、そうだ忘れてた。

私たちYUKIのこと話してる途中だったんだ。



「YUKI、もう来てるの?」

「あ、あのねっ……なんか、私よりも先に来てたっぽいのっ」

「ほんと?」


「うんっ、ほらメール!!」



フジヤマに奪われた携帯を奪い返し、ユージに画面を見せる。

……と、その時──、





カシャッ



──……私たちのすぐ近くで、携帯のシャッター音が聞こえてきた。


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