偽りのヒーロー




「菜子は放課後リレーの練習?」

「うん。菖蒲も応援の練習でしょ?」



 こればかりは仕方がない、と顔を見合わせて眉毛を下げた。

応援合戦もリレーも、学年混合で行われるもの。さすれば自然と放課後集まって練習をするのがベターなわけだ。



 口にはしなかったが、菜子は、いや、クラス中が承知していること。

応援合戦の人選はどう見ても容姿端麗な人が多い、そんな小さな小さな余談。

菖蒲も紫璃も、なんならレオも選出されていて、注目の的になる


。キラキラと光っているかの錯覚さえしてしまいそうで、並んだこの3人を見て、菜子はごしごしと目を擦った。


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