恋しちゃえよ。いい加減。

「進藤くん、藤嶋さんとお知り合いなの？」


「あ……いえ………」


私は突然のことに戸惑っているというのに、椿はまたあの、余裕たっぷりに微笑む。



「高校時代の同級生です。お久しぶりです、進藤さん。」


椿は立ち上がると、ジャケットの内ポケットから名刺入れを取りだし、その中の１枚を私に渡す。



それにつられて私も自分の名刺を椿に渡すと、椿の名刺を見る。




「外務省！？」




にこっと椿は笑う。




「ちょっと前までアメリカの日本大使館に勤務してたんだ。で、今は日本のアメリカ大使館に勤務してる。」



つまりは、椿は外交官ってこと！？



「それでこんど、アメリカ大使館で開くパーティーで全てをmade in JAPANの商品でっていう話になってね。」



そこまで話すと椿の隣に座っていた外国の方が立ち上がり、私に握手を求める。



「ショーンです。アメリカ大使館で勤務しています。」


「あ、進藤です。よろしくお願いします。」



私はショーンさんの手を握り返すと、ショーンさんは、私の手にキスをしようと手を持ち上げた。