恋しちゃえよ。いい加減。
悪夢から覚める。
午後7時をまわったところで、仕事を終えて会社からでると、椿が立っていた。



「なんでここにいるのよ。」



「だって、逃げるといけないだろ?」



そう言って私の方にツカツカと歩いてくると、すかさず私の手を握る。



「はい、捕獲。」


「ちよっ!離してよっ。」



「やだね。」


ぐんぐんと手を引かれて歩く。
途中、何人かの女の人がすれ違い様に椿を見つめる。



ほんと。カッコいいよな。



なんとなく、椿の隣を歩く自分に自信が持てなくて俯きがちに歩く。


椿がカッコいいのなんて、高校の時から知ってる。そして、私に自信がないのも高校の時から変わってない。


急に椿が立ち止まるから、私は椿にぶつかってしまう。








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