恋しちゃえよ。いい加減。
「……ここ。なんでも旨いから。」


椿はそう言って、地下へと続く階段を降りていった。


ゆっくりゆっくり。


私の手を引きながら、降りていく。



まるで舞踏会のお姫様のように。



店内は薄暗くて、ひとつひとつのテーブルが個室になっていて、その中にはキャンドルの灯りが灯されていた。



「なんかすごいね…………秘密の洞窟みたい。」


キョロキョロとあたりを見渡す私。


なんかちょっと。



緊張してきた。




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