恋しちゃえよ。いい加減。
高校生の時。
私は確かに椿が好きだった。初めて真剣に人を好きになった。
椿もきっと、私と同じ気持ちなんじゃないかって、少なからず思ってた。
でも、ある日。
高校の時の親友に打ち明けられた。
「私、椿君のことが好きなの。応援してくれるよね。都。」
その時いつも一緒だった5人グループの子達に囲まれて、私は自分の気持ちを言うことはできなかった。
「うん……。応援する。」
そう言うしかなかった。
「都、なんで私が椿君の事を好きなの知ってるのに仲良くするの?」
「なんで、この子が好きなの知ってて一緒に帰るの?」
「なんで、椿君といるの?」
私は耐えれなかった。
気づけば私は椿から逃げていた。
椿が何かを言おうとしても、逃げた。
椿の視線から逃げた。
椿への気持ちから逃げたんだ。
そして。
椿の私への気持ちからも、逃げたんだ。