オーロラの歌




昼休みになり、俺は昼食を食べ終えた後、ぶらぶらと廊下を歩く。


今日のイタズラのターゲットは、誰にしようか。


すると、前方に図書室に入っていく校長先生を見つけた。



『……よし』



ターゲット、決定。


校長先生にしよう。


校長先生を標的にするのは、三ヶ月前のカツラのイタズラ以来だ。



校長先生のあとを追うように、俺も図書室へ向かう。


広くて静かな図書室内は、数人の生徒がいた。


校長先生は、本の貸し出しをするカウンターの奥の部屋に入っていく。


俺もカウンターの奥の部屋に行きたいが、カウンターには図書室の先生がいて、俺がカウンターの奥へ進もうとしても、簡単に引き戻されてしまう。



どうしようか、と悩んでいた俺の頭に、一つのアイデアが思い浮かんだ。


あんまり自信はねぇが、これしか方法はない。




――今思えば、そのアイデアこそが、日常の崩壊に繋がっていたのかもしれない。




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