オーロラの歌



俺は、ゆっくりとカウンターに、図書室の先生に、近づいていった。


カウンターの前まで来た俺に、図書室の先生は『どうしたの?』と声をかけてきた。


その問いかけには、答えず。



『“スペクトル・プリズム”』



ボソッと、呪文を唱えた。


瞬間、俺の周りに霧が溢れ出す。



高度な魔法、スペクトル・プリズム。


最近覚えた、俺の新技だ。


光と霧の、応用魔法。



『な、何なのこれ!?』



図書室の先生は自分の目の前にいる、魔法を使った俺を捕らえようとした。


しかし、



『え……!?』



俺の腕を掴もうとした手は、スッと通り抜けてしまった。



< 104 / 888 >

この作品をシェア

pagetop