オーロラの歌
俺は、ゆっくりとカウンターに、図書室の先生に、近づいていった。
カウンターの前まで来た俺に、図書室の先生は『どうしたの?』と声をかけてきた。
その問いかけには、答えず。
『“スペクトル・プリズム”』
ボソッと、呪文を唱えた。
瞬間、俺の周りに霧が溢れ出す。
高度な魔法、スペクトル・プリズム。
最近覚えた、俺の新技だ。
光と霧の、応用魔法。
『な、何なのこれ!?』
図書室の先生は自分の目の前にいる、魔法を使った俺を捕らえようとした。
しかし、
『え……!?』
俺の腕を掴もうとした手は、スッと通り抜けてしまった。