オーロラの歌



ようやく視界に捉えた、校長先生の姿。


校長先生は、この部屋の奥の本棚から一冊の本を取り、持っていたライターの火でその本を読んでいた。


何の本を読んでんだろう。


まあ、なんでもいいや。



『こーちょーせーんせー』


『!』



俺が、校長先生を軽やかに呼ぶと。


校長先生は動揺したように、カッと目を見開いて俺を見た。



『何してる!?』


『何って……』



イタズラしようとしてるに、決まってんじゃん。



『ここは、生徒は立ち入り禁止だぞ!?』



ふーん、そうなんだ。


どうでもいいけど。


だって、俺、侵入しちゃったし?



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