オーロラの歌



あぁ、そうか。


弱気になっているのは、俺だけだ。


覚悟がないのは、俺だけなんだ。



二人とも、これが自分の運命だということを受け入れている。



これしか、ないんだ。


禁断の魔法を使うしか、方法がないんだ。


俺は、二人の足でまといでしかないんだ。


俺にできるのは、この本を何が何でも守ることだけ。



顔つきが変わった俺を見て、母さんと父さんは目を細めた。


これが、最後だ。


もう二度と、二人には会えない。


でも、泣かない。


だって、二人が笑ってるから。


だったら俺も、笑うよ。



最後が涙なんて、そんなの嫌だ。



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