オーロラの歌





――窓から差し込む朝日が、微かに開いた目に沁みる。


昔の夢を見たせいで体がだるくなっているかと思ったら、そうでもなかった。


それどころか、体も心も軽い。


オーロラの歌の幻聴を、聴いたからか?



「……そういえば」



禁断の魔法書を、学校に返し忘れていたっけ。


俺の部屋に置いたままだ。


今度返しに行かねぇと。



「おはよ、ラジ」


「うわっ!?」



視線を横に移すと、ドアップでオーロラの顔が映った。


びっくりしすぎて、完全に目が冴えた。



「お、おはよう。早いな、オーロラ」


「今から、また真犯人とお金探そうと思って!」



昨日あれだけ探したのに、まだ探すのか?


オーロラの手は、泥だらけで汚れていた。



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