オーロラの歌



もしかしてオーロラは、俺が起きるよりずっと早くから、日が昇るよりも前から、探していたのか?



「ごめんな、オーロラ」



気づいたら、謝っていた。


オーロラの命を賭けられただけじゃなく、オーロラにこんなことまでさせて。




「謝らないで。私は、この街の人達にラジのことを信じさせたいの」




オーロラは、俺の光だ。


虚像を見せる光ではなく、温かく照らしてくれる光。


その光は、俺に希望というものを見せてくれるんだ。


過去とか、背負っているものとか、そんなものなんか関係なしに、平等に導くその光の優しさに、俺は救われた。



「ありがとう」



あと何回、この言葉を伝えたら


光を眩しく感じなくなるのだろうか。



なあ、オーロラ。


俺のことを信じてくれて


俺に光をくれて


本当に、ありがとう。



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