オーロラの歌




「たっだいま~」


「ただいま、ラジ」



リビングの扉から入ってきたのは、グリンとじいちゃんだった。


二人の手も、オーロラと同じように汚れていた。



「じ、じいちゃん!もう起きて大丈夫なのか?」


「ほれ、この通り、スーパー元気じゃ!」



心配して駆け寄った俺に、じいちゃんはピョンピョン飛び跳ねたり腕を大きく振ったりして、元気な姿を見せた。


万能薬が効いたのか、じいちゃんの昨日まで悪かった体調は、嘘のように良くなっていた。



「やっぱり、お金と真犯人の手がかりは見つかんなかったよ~」



グリンはそう言って、俺が今まで寝ていたソファに座ると、疲れ果てたようにソファの背もたれにもたれかかった。


オーロラだけじゃなく、グリンとじいちゃんも朝早くから探してくれていたのか……。



「どうして、俺も起こしてくれなかったんだよ!?」



俺だけ寝てたって、なんか仲間外れみたいじゃねぇか!


それに、偽りの犯人にさせられてる俺が、誰よりも一番動かなきゃいけねぇのに。



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