オーロラの歌






――そして、約束の時間。


魔法学校の正門前。




俺とオーロラとグリンを囲む、街の皆。


俺達の前には、町長とゼロさんが。



「真犯人と一億テラスは、見つかりましたか?」



ゼロさんの漆黒の瞳が、俺を貫く。


九時になるまで必死に探してみたものの、結局、真犯人が誰なのかも、金の在り処も、わからないまま。


俯きかけた俺を横目に、オーロラが一歩前に出る。



「見つかりませんでした」



オーロラのはっきりと言い切ったその清々しい態度に、街の皆は唖然とする。


隣にいるグリンなんか、お腹を抱えて笑ってる。


オーロラの正直な返事に、町長は「やはりな」と含み笑いした。



< 126 / 888 >

この作品をシェア

pagetop