オーロラの歌
――そして、約束の時間。
魔法学校の正門前。
俺とオーロラとグリンを囲む、街の皆。
俺達の前には、町長とゼロさんが。
「真犯人と一億テラスは、見つかりましたか?」
ゼロさんの漆黒の瞳が、俺を貫く。
九時になるまで必死に探してみたものの、結局、真犯人が誰なのかも、金の在り処も、わからないまま。
俯きかけた俺を横目に、オーロラが一歩前に出る。
「見つかりませんでした」
オーロラのはっきりと言い切ったその清々しい態度に、街の皆は唖然とする。
隣にいるグリンなんか、お腹を抱えて笑ってる。
オーロラの正直な返事に、町長は「やはりな」と含み笑いした。