オーロラの歌
町長や住人達の、うつろな目つき。
ガラリと豹変した態度。
感情のない、ロボットのような顔。
これって、一種の魔法か何か?
「オーロラ、危ないから下がってて~」
グリンは、私の前に立ち、襲いかかってくる街の住人達にあまり怪我をさせないように気絶させていく。
「これは、催眠魔法の一種だ」
「催眠魔法?」
ラジが、グリンと同様に私を守りながら、そう教えてくれた。
「この魔法にかけられた奴は、魔法をかけた奴に洗脳されるんだ。多分、町長達は『オーロラを殺せ』と洗脳されているんだろう」
「じゃあ、ゼロさんが洗脳してるってこと?」
「それか、魔法をかけた奴とゼロさんが繋がってるか。そのどっちかだろうな」
明確に、ゼロさんは私の敵だと、わかってしまった。
本当は、心のどこかで、味方だったらいいな、と思っていた。
でも、やっぱり私の敵は多いらしい。