オーロラの歌




ゼロさんが足を止めたのは、昨日ゼロさんと会った、湖のある場所。


私とゼロさんしかいない、静寂が漂う場所。



ようやくゼロさんに追いついた私は、息を整えてから、ゼロさんに尋ねる。



「ゼロさんが、あの魔法をかけたんですか?」



聞きたいことは、たくさんある。


ゼロさんは、私を憎んでいるのか。


私の罪を知っているのか。


本当に、私の敵なのか。


どうして、私に会いたかったのか。


もっともっと、知りたいことがある。



ねぇ、ゼロさん。


教えてください。



「僕ではないですよ」



一言だけ囁くように言ったゼロさんは、切なそうに私を見つめる。


じゃあ、誰があの魔法を……?



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