オーロラの歌
そこにいたのは、私を呼んだのは。
『お母さん……!』
間違いなく、亡くなったはずのお母さんだった。
深藍色の髪を後ろで一つに結っているお母さんの姿が、懐かしくて。
私は走って、お母さんに抱きつく。
どうして、こんなところにいるの?
なんて、聞くことすら忘れてしまうほど、お母さんに会えた嬉しさと感動が、心を埋め尽くしていた。
『あのね、私ね』
ずっと、会いたかった。たくさん話したいことがあるんだ。
私は顔を上げて、そう言いかけて、やめた。
『……お、かあさん?』
どうして、泣いているの?
ポタリ、と私の頬に、お母さんの透明な涙がこぼれる。