オーロラの歌
「僕達は、ここの階段を目指せばいいんだよねぇ?」
「あぁ、そうだ」
現在地から少し離れたところにあるフロンティア・シティに繋がる階段を指差したグリンに、ラジは頷く。
その階段に行く最短ルートは、この大通りを通り、突き当たりで右に曲がり、また真っ直ぐに進まなければいけない。
かなりの距離だ。
この街をうろついている警備隊に見つかるリスクも高い。
「まあ、なんとかなるよ~」
俯いていた私に、グリンが笑いかける。
ポジティブなグリンの考え方を、見習いたい。
そ、そうだよね。
なんとか、警備隊に見つかることなく、フロンティア・シティに行けるよ、ね?
私達は、自分がオーロラだとバレないようにできるだけ自然に、大通りを歩いていく。
周りの視線を気にしながら、敏感に周囲を警戒しながら。